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ガルテン〜私の庭物語
30 玄琴(コムンゴ)は天の色である「玄」を象徴する楽器〜李世煥先生
2021年6月30日
原田 美佳 原田 美佳 [はらだ みか]

東京都出身。学生時代から長年関わった韓国文化院を2015年末に退職。現在は、日本ガルテン協会の広報部長の仕事をしながら、これまで関わってきた韓国文化を日本に紹介するための著作、交流活動を中心に自分のライフワークを模索中である。共著書に『コンパクト韓国』(李御寧監修)、『読んで旅する韓国』(金両基監修)、「朝鮮の王朝の美」、『朝鮮王朝の衣装と装身具』などがある。
▲ 李世煥先生のCD
▲ 2005年のシルクロードコンサートでの李世煥先生
韓国の代表的な弦楽器の一つに玄琴(コムンゴ)がある。
史書『三国史記』「楽志」によれば、高句麗で王山岳が、中国の琴をもとに玄琴を作り、さらに、玄琴で演奏するための100余曲を作曲したとある。
「千字文」の第一句は、天地玄黄。天の黒色と地の黄色からはじまるように、玄琴は、天の色である「玄」(黒)を象徴する楽器としての意味をもつという。

玄琴には、16個の高低の板のフレットである棵と、3個の雁足があり、スルテ(술대)という棒を右手に持ち、6本の弦を左手で押さえつつ、けっこう激しく弦を弾いて演奏する。
どちらかというと女性の奏者が多い伽耶琴(カヤグム)に対して玄琴というと男性が奏でるイメージである。両班の部屋にはよく玄琴などが置かれていた。
もちろん女性が弾かない訳ではない、才女として知られる妓生、黄真伊(ファン・ジニ)は、玄琴を得意とした。

玄琴奏者として知られる李世煥(イ・セファン)先生を中心に、日高仁先生が会長となり、意気投合された日本の方々によって「日本玄琴の会」というのも作られた。日高先生は、カラオケでもリズム感のいい曲として人気の「星降る街角」の作曲者である。
日高先生は、その後、ソウルにある日本弘報文化院で、日本舞踊の花柳春涛先生をはじめ、伝統楽器である三味線やお琴の先生を派遣する費用を著作権収益などから援助されている。

李世煥先生は、日本でも演奏活動をけっこうされておられて、確か私もはじめて会ったのも80年代の国立国楽院の演奏会のときだったと思う。
李世煥先生が所属されていた国立国楽院による演奏会は、宮内庁の楽部との共演や国立劇場大ホールでの大がかりなものをはじめ、これまでいろいろな形で行われてきた。

2005年の日韓友情年の最後のイベントが東京国際フォーラムで行われた折に下野竜也氏指揮で東京フィルハーモニーと、「出鋼」で共演された。
事前リハーサルから本番までずっと随行することとなり、メインは、どちらかというと松任谷由美さんやイム・ヒョンジュさんだったので、久しぶりにゆっくり話ができた。
ソウルで李世煥先生の家の近所の行きつけのサムギョルサルの店に行ったときは、使っていた石板を特別に包んで下さり、東京にまで持って帰れという。今のようなとんかつ肉のようなサムギョプサルは、大きなまな板のような大きさと重さの特別な石板で焼くと美味しいというのだが、割れないようにバスタオルなどでぐるぐる巻きにして小さなトランクのほとんどを占めて戻ったり、玄琴演奏以外にもさまざまな思い出がある。
昨2020年5月亡くなられたのは寂しい限りである。
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