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ナメクジに負けたアシカたち |
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2010年1月26日 |
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 | 橋場 恵梨香 [はしば えりか]
アメリカ生まれ、日本育ちの日系二世。小学二年生から高校卒業まで東京のアメリカン・スクールに在学。2005年にサンディエゴ州立大学アジア研究学部を卒業、そして2008年に同大学にて言語学修士号取得。現在カリフォルニア州のマリーナに住み、サリナスにある公立高校で日本語教師を務める。 |
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前回のエッセイ「マスコットの由来」でお話しましたが、カリフォルニア大学サンタクルス校の公式マスコットは、バナナ・スラッグという黄色いナメクジです。アシカの方がマスコットとしてサマになると考えた少数のスポーツチームのコーチもいましたが、皆に愛されるナメクジにはとてもかなわなかったのでした。
かつてナメクジとマスコットの座を争ったアシカたちを、彼らが集まる波止場へ見物しに行ってきました。サンタクルスのアシカはいつも決まった波止場に上がってきて休み、観光客や子供たちの注目を浴びています。 アシカたちは折り重なってぐーたらお昼寝。中にはかなりデブデブのもいます。アシカ派だったコーチたちはこういうイメージを想像していた・・・とは思えません(笑)。 ぴたーっと隙間のない見事なハマリ具合に感心。 何頭かはものすごい声で「ウォッ!ウォッ!ウォッ!!!」と何かを強く訴えています。お隣のオシリが重過ぎるのかな。ハマリ心地の良いアシカたちはうるさい文句なんてちっとも気にせず爆睡し続けています。
カッコいいマスコットになれるような姿ではとてもありません。 でもそんな能天気なアシカたちを見ていて、なんだか急に気に入ってしまいました。
海の中では若そうな二頭がじゃれあって泳いでいます。気持ち良さそうに水面から頭を出しては引っ込め、まるで筆先のように青いキャンバスを自由自在に動き回ります。
この世の中不景気だっていうのに、なんて吞気に・・・・・
私と同じだ(笑)
アシカたちはマスコットとしては負けてしまいましたが、ナメクジに負けないくらいのんびり、気ままに毎日を過ごしているようでした。
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