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ぴくせる日記
1 日米恋しいものリスト
2008年11月2日
橋場  恵梨香 橋場 恵梨香 [はしば えりか]

アメリカ生まれ、日本育ちの日系二世。小学二年生から高校卒業まで東京のアメリカン・スクールに在学。2005年にサンディエゴ州立大学アジア研究学部を卒業、そして2008年に同大学にて言語学修士号取得。現在カリフォルニア州のサンタクルーズに住み、サリナスにある公立高校で日本語教師を務める。念願の一眼レフを手に入れ、生活の中の小さな幸せをレンズを通して見つけている。英語のブログはこちら:http://thehungrypixel.tumblr.com
▲ 実に小さいマカオの空。サンディエゴの大きい空がなつかしくなります。
▲ 本場の飲茶は美味!食べ終わった後に思わず「ごちそうさま」と口に出てしまうのですが。

▲ これがデービッド君と生まれたてのエスターちゃん。会いたいなあ。
何気ない生活の中で自分にとって大切なものとは、離れてみないとなかなか分からないものだと思います。

今までの私の人生は日本とアメリカの往き来でした。そして今、初めて長期間、どちらでもない国に住むことになり、日米両国を客観的に見つめ直すことができる一年になりそうです。

マカオの新生活についてお伝えする前に、日本とアメリカを往復しながら、そしてマカオに来てから私が気付かされた思いがけない「あぁ〜恋しいっ!!」をまず最初にご紹介したいと思います。

●日本トップ5・・・

第5位:宣伝用ティッシュ

日本ではありきたりな宣伝法ですが、マカオやアメリカでは見たことがありません。普通の紙広告はわざわざ避けるくせに、ティッシュを配っているお姉さんを発見すると、もらえる様に何気なく近くを通るようにするのは・・・決してわたしだけではないと思います。ティッシュは必需品なので、タダでもらえるというのはちょっとした喜びでした。今ではそのタダでもらえたものがタダでなくなってしまったことがちょっと残念・・・。

第4位:お手拭き

食べる前は手をきれいにするもの。これは世界共通のはずなのに、お手拭きは日本(もしくは外国にある日本食屋さん)でしかもらったことがありません。
ある日、日本でアメリカ人の友達と食事へ行ったときです。お手拭きを出されたのに彼女は使おうとしません。しかも食べるのは手で持つハンバーガーなのに。食べ終わると、やっとお手拭きを開け、手に付いたケチャップやらタマネギの破片等を拭き取るために使っていました。「食後は大抵手がこうやって汚れるからそのときのために取っておくんだ」と、得意げに説明されてしまいました。それもそうだけど・・・考え方が違うなー、と唸ってしまいました。

第3位:いただきます、ごちそうさま

食べる前と食べた後の欠かせないご挨拶!人生毎日使っていた当たり前の挨拶が突然なくなってしまうと、ものすごく切ない気持ちになります。なんの合図もなく、いつの間にかみんな食べ始めているのが許せません。
先日、友達を家に呼んで日本式カレーを作りました。さてシェフは日本人の私ですし、作ったのも日本食なので、これを機会にみんなに「いただきます」を教えてやるぞー!とはりきったのはいいのですが、いざ言うとなると、「いた・・・いだだだす?」と、一団かなり悪戦苦闘・・・フランス語の「ボナぺティ」のようにもっと言いやすい言葉であればいいのに。潔く諦めました。

第2位:おふろ

日本人はきっと、世界で一番きれい好きな人種なのではないでしょうか。わたしは夏でも冬でもおふろが大好きです。ご存知の方も多いと思いますが、アメリカでは大抵、おふろとシャワーがツーインワンで、オケの部分がシャワーの洗い場になってしまっているんです。きれいにするのは一苦労ですし、お風呂が流れきってからでないとシャワーに入れません(ので、体をきれいにしてからもう一度浸かるということももちろん不可能です)。現在のマカオのアパートにはオケさえなく、シャワーのみです。そんなわけで、わたしが日本へ帰るのはほとんどおふろ目当てかもしれません。最近は「エジプトの泉」やら「ベルサイユの薔薇」など、一体何だかよく分からないけど試してみたくなる温泉の素グッズを買ってみたりして、毎日浸かっています。帰省中はやはり我が家の水道使用量が急増加するらしく、水道局のおばさんが「水漏れしてませんかー」と、ご親切に声をかけてくれます。

第1位:季節

もちろん、アメリカでも場所によっては四季がはっきりとした所はたくさんあります。しかしわたしは年がら年中サンサンと太陽が照るサンディエゴに住んでいました。サンディエゴへ移住するほとんどの人が天気を理由にするほどのパーフェクト・ウェザー。あまりにも天気がいいもので、くもりや雨が恋しくなり、「今日はいい天気だね〜」とはくもりの日に言うくらいでした。これもいいのですが、ヤシの木は秋になってもみどりのまま。大好きな石焼き芋だってやっぱり息が白く出るほど寒いところで食べなければ多分おいしくありません。そして夏にかき氷が食べたくなるのはきっと外で蝉がうるさく鳴いているから。日本を発ち、季節ごとの当たり前の楽しみはどこにでもあるものではないことに気付かされました。石焼き芋やかき氷が食べたくなるような季節にならないところには、石焼き芋やかき氷がないのです・・・。そしてマカオはというと、パーフェクト・ウェザーでもなければ季節もない(笑)。ただいま蒸し暑い秋を過ごしています。


●米国トップ5・・・

第5位:お隣の坊ちゃん、デービッド

デービッドは隣のアパートに住んでいたミャンマーからの移民家族の長男。そろそろ2歳になるくらいです。生まれたばかりの頃に引っ越してきたので、ギャーギャーと毎日泣いていたときから、外をノーパンで走り回るようになるまでの育ちぶりを隣りから見ていました。これまたわがままな坊ちゃんでございまして、すぐにグズるのですが、これがうちの安アパートの壁の向こうからよく聞こえました。グズリとともに始まるのがお母さんのおしかり・・・卒論中はさすがに参っちゃいました(笑)。しかしわたしがマカオへ発つ少し前、二人目の女の赤ちゃんが生まれ、以来、デービッド君のグズり件数が激減。通りかかる四人家族を見るとデービッド君がぐんとお兄ちゃんらしくなっていて、微笑ましかったです。今頃どうしているのかなー、とたまに気になります。

第4位:高速道路

東京やマカオは公共交通手段が充実しているため、車がなくてもまったく不便しません。しかしサンディエゴはまだまだ車社会。ガソリン代がどんどん値上がりし、環境問題が悪化する中、車を持つことに対してかなりの罪悪感を感じていましたが・・・・・やっぱり運転は楽しい!!カリフォルニアのひろ〜い高速道路に乗り、窓を全部開けて髪の毛ばらばら、ほっぺたびろびろになりながら突っ走るのが大好きでした。

第3位:サラダ

アメリカではサラダをほぼ毎日食べていました。家で作るサラダはあるものをなんでも放り入れるという方式で作ることが多かったので、ときには結構グルメに見えて実は残り物整理になり、とても便利でした。野菜に限らず、フルーツ(オレンジ、イチゴ、ラズベリー)など混ぜたりするのも大好きです。外食をしても、たいていメニューには充実したサラダセレクションがあります。そして初めて、ブロッコリー、サヤエンドウ、そしてアスパラガスを生で出され、生で食べたのもアメリカ。「ええぇっ!アスパラガスって生で食べられるのっ!?」と、初めはかなり戸惑いました。試してみると・・・実に予想通りの青くさ〜い味。でも、これはこうやって食べてもいいものだと分かった途端、たちまちハマってしまいました。今では野菜とはぼりぼりと生で味わうのが一番おいしいと思っています。しかしマカオでは・・・生野菜を食べるという習慣があまりないようです。外食が多い生活のなか、サラダがヒジョ〜に不足しております。

第2位:いつまでもくつろげるコーヒーショップ

わたしにとってコーヒーショップというのは、コーヒーを飲みに行くところではありません。コーヒーは飲めない体質なので飲むのはお茶なのですが、そういうことではなくて・・・わたしがコーヒーショップへ行くのは、読書をしたいとき。友達と長話をしたいとき。勉強に追われていて自分の部屋ではなかなか集中できないとき。ぼーっとしたいとき。こんなときにコーヒーショップへ行き、そして何時間も、ときには一日中居座るのです。サンディエゴにある数々のコーヒーショップでは、わたしのような人間のためにちゃんと設備が整っています。ワイヤーレス・インターネット。新聞、雑誌。そして居心地のいいソファーやらクッション。サンディエゴで特に人気があるのは「リビングルーム・カフェ」。その名の通り、誰かさんの居間にいるかのようなとてもアット・ホームな雰囲気のカフェです。期末試験中は深夜まで学生達で満席。しかし、せかせかとした東京ではこのように長時間、根っこを張れるような喫茶店はなかなかありません。スターバックスなんて、場所によっては列ができちゃっているくらいです。せっせと飲んで、せっせとお帰りください〜、という空気。リビングルーム・カフェ、マカオでもただいま捜索中です。


第1位:空

東京もマカオも、高層ビルだらけ。上を見ると、空がとても小さいです。それと比べてサンディエゴはとても平べったく、青々とした空が気持ちよ〜く広がっています。大きな空が毎日見られるのと見られないのとでは、きっと気持ちが随分違うだろうと思います。サンディエゴで空が一番よく見えるのはもちろん海。わたしが住んでいたところからは海が10分ほどのドライブでした。海ではふだんのでこぼこの地平線がすーっと平らになり、空だらけ。わたしは日本からサンディエゴへ戻ってくるたび、空港から真っ先にビーチへ向かう習慣がありました。飛行機から降りて間もないうちに渡ったばかりの空と海と向き合い、あの向こうが日本なんだなー、なんて考えながら次に帰るまでの気合いを入れることがちょっとした儀式でした。(映画のワンシーンみたいじゃないですか?あるときそう思い、調子にのって「がんばるぞぉーっ!!!」と海に向かって叫んでみましたが、まったくサマにならず恥ずかしい思いをしたことがあります。もちろんまわりのアメリカ人は目がテン。)
大きさは違っても、世界どこにいても同じ空を見ていることに、勇気づけられています。


日本とアメリカのどこに住んだかにより、各トップ5はかなり変わるかもしれません。わたしの場合は東京とサンディエゴ・・・「恋しいものリスト」は果てしなく続きます。みなさんは日本を離れた場合、何が恋しくなりますか?
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