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マカオ恋しいものリスト |
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2009年1月1日 |
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 | 橋場 恵梨香 [はしば えりか]
アメリカ生まれ、日本育ちの日系二世。小学二年生から高校卒業まで東京のアメリカン・スクールに在学。2005年にサンディエゴ州立大学アジア研究学部を卒業、そして2008年に同大学にて言語学修士号取得。現在カリフォルニア州のマリーナに住み、サリナスにある公立高校で日本語教師を務める。 |
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▲ 夜の景色も美。 |
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一年ぶりに日本へ帰省し、恋しかったおふろ、和食などをただいま堪能中です。しかし4ヶ月も住んでみればマカオもわたしのもう一つの「ホーム」。今度初めてマカオから離れみて、恋しいもの、やっぱりありました。
(その1) 45分1500円の中国式マッサージ(徒歩1分)
コリ性がひどいわたしにとって、マッサージは欠かせないものです。しかし日本やアメリカではだいたい一分百円/一ドルというのが相場なので、貧乏学生にはちょっと厳しいものでした。しかし、肩や首のコリは脳への血流を遮ってしまうらしく、卒業を目指す大学院生にとっては非常に危険なものでした。やばい、脳が窒息しているぞ・・・と感じるまでに至ったそのときだけ、わたしは緊急治療へ向かいました。
しかしさすが中国。マカオでは45分で1500円のマッサージが!たまにご馳走を我慢しておいて、ほとんど週一で通っています。アパートから徒歩一分、しかも24時間営業なので、夜中にいきなり部屋着のままでわたしはマッサージ屋に現れます。おばさんたちと混ざりながら、広東語の勉強にもなって、マカオ生活での大きな楽しみとなっています。
(その2) お隣りのコンビニ
夜中の12時を回っても、マカオの60%の人口はまだ起きているとか。カジノが盛んな場所なので、そのおかげでみんな夜型なのでしょう。そのせいか、わたしが常連のマッサージ屋をはじめ、24時間営業の店はざらにあります。アパート入り口のすぐ隣りにあるコンビニもそうです。このコンビニ、家族経営の小さな店なんですが、他より値段がちょっと高め。とはいえ遠くに行くのは面倒くさいわたしのような客でけっこう繁盛していて、ほとんど毎日飲料水やジュースを買いに寄っています。夕方に行くと、家族揃ってせまいレジ横の床の上にしゃがみこんで夕飯をもくもくと食べていたりします。レジのところには必ず茹でたとうもろこしが鍋に入ったまま置いてあり、今日はちょっと野菜不足だったかなー、と思う日はこのとうもろこし(一本百円)を買っていくのが習慣です。わたしが「ンゴイサ〜イ」(ありがとう)そして向こうが「センキュ〜!」という毎日の当たり前のやりとりをちょっと恋しく感じています。
(その3) 橋わたり
「マカオ」とはマカオ半島、タイパ島、そしてコロアン島の三つに別れています。わたしはカジノなどが一番集中しているマカオ半島に住んでいますが、仕事や語学勉強のためにほとんど毎日タイパ島へ通っています。タイパ島はマカオ半島と比べ、住宅地が多く、ずっと静かなところです。マカオ半島とタイパ島をつなぐ大きくて真っ白な橋を渡ることがわたしのひそかな楽しみであり、にぎやかで混み合った半島側から平穏なタイパ島まで連れて行ってくれるその橋には癒されます。その橋を渡りきるには5分くらいかかりますが、その日その日によって姿の違う海が見られます。さすが中国というか、海はもちろん汚くて、うぅわーっと思わず声を出してしまいそうなくらい見苦しい、赤茶色い姿は残念ながらわりと普通の光景。しかしなぜでしょう。同じ海だとは思えないような真っ青に輝く海が、ある日突然姿を見せたりします。太陽の当たり方で、青い空が海に反射しているのでしょうか。それがたとえ本物でなくても、たまにしか見ることのできないこの幻の海にわたしは思わず見とれてしまうのです。きらきらと光る海の景色にぼんやりと浸るその五分間は、わたしにとってとても幸せなひとときとなっています。
さて、新たな年が明け、マカオ生活も残すは8ヶ月。まだまだ先が長いようにも思えますが、きっとあっという間だと思います。一年が終ったときには、どんな恋しいものリストができているでしょうか・・・
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