研究会インフォネット | 過去のINFONET REPORT

（写真上）焼けたパームツリーの前で、供養の始まりのハープ演奏を聴く参加者たち。

報告：雨宮　和子（カリフォルニア州デルマー在住）

見事なほどに澄み切って雲１つない青空の下で、パーム供養をしました。大火事のあった日とはうって変わって風もなく、平穏そのもののお天気で、パーム供養にピッタリの日でした。

午後３時に親しい友人たちと労働者たち合計１７人が集まり、日本でも同時に供養が行われていると告げて、慰霊祭が始まりました。太平洋の両側で、木々に対する思い入れを儀式という形で表現することで、メキシコ人労働者は自分たちのしていることが世界に繋がっていると感じてくれたようです。

供養の始めにまずホセがハープを演奏してくれ、それからトーマスが農園の歴史を簡単に説明。そして私が、炎に包まれてもじっと立っていたパームの木々がいとおしく思えてパームの命を慰めたいという気持ちになり、慰霊祭をすることにしたという心の経過を話しましたら、皆頷いていました。それから「木々」（Trees）という詩を朗読し、それをホセがメキシコ人労働者のためにスペイン語に訳してくれました。

そこまでは参加者はただ聞くだけでしたが、お線香を焚く段になると、全員がやってくれました。友人たちにも労働者たちにも皆にとっては初めてのことですがそれでも結構サマになっていたのですから、たいしたものです。

最後にパームの根元に日本酒を注ぎ、再びホセのハープ演奏で供養の儀式から、慰霊のお祭りへと移行。作業長の連れ合いのフリアがタマレ（Tamale）というメキシコ料理を作ってくれ、それにレストランに注文したメキシコ式豆料理、私の作ったけんちん汁、飲み物はメキシコのビールと日本酒とジュース、と、一見おかしな組み合わせですが、見事に調和していましたよ。

太陽が傾き始めると急に冷え込み、４時４０分にお開き。とても意味ある慰霊祭だったと友人たちが言ってくれ、やって良かったと思いました。日本で供養をしてくださった皆様にも感謝いたします。

※日本での供養祭のもようは右下ボタン「過去のREPORT」でご覧いただけます。