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| 『朝鮮王朝の衣裳と装身具』発刊 ― 会員・吉田が執筆 |
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【内容】
序 朝鮮王朝の衣装と装身具
1 朝鮮王朝に咲く華 女性の礼服とノリゲ
2 髪飾りの世界 女性の簪
3 暮らしにみる用の美 女性の装身具
4 栄華のダンディズム 男性の礼服と頭飾り
5 風雅を生きる 男性の常服と装身具
6 婚礼の色と文様 花嫁の衣装
7 愛らしき意匠 子どもたちの装い
王朝の美を探し求めて
衣装と装身具 三つの基礎知識
テーマで読み解く朝鮮王朝
192ページ
（カラー128ページ、モノクロ64ページ）
300点以上をカラー図版で紹介。
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| ▲ 男性たちもおしゃれであった。ソンビという朝鮮王朝の理想的な男性像は、現代にも生きている。 |
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| ▲ 不老草、天桃、蝶などのモティーフは、長寿や夫婦愛など王朝女性たちの現世の幸福を象徴。 |
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『朝鮮王朝の衣裳と装身具』―服飾にみるチャングムの時代―（淡交社）という本が、出版されました。今週から書店にならぶ予定です。
この本は、500年におよぶ朝鮮王朝時代（1392−1910）の王族・上流層の男女の装身具を通じて、当時の人々の美意識や暮らしを紹介しようとするものです。
収集家・張淑煥（チャン・スクファン）氏の人柄とコレクションの素晴らしさを日本に紹介したいと願う、一人の編集者と４人の女性たちによって企画・執筆されました。韓国文化院の原田美佳さん、大学講師の金榮愛さん、韓国結びメドゥップとポジャギ研究家の鈴木千香枝さん、そしてインフォネット会員の吉田美智枝も執筆者の一人です。
紹介されるのは、韓国の澹人（タミン）服飾美術館に収蔵されている張淑煥氏のコレクションを中心に、国立古宮博物館、国立民俗博物館の収蔵品を加えた３００点以上の遺物です。コレクションのどれもが、古いものでありながら、驚くほど生き生きとした美しさを放っています。
その中には、朝鮮王朝最後の皇太子・李垠（イ・ウン）氏と、日本の宮家から皇太子に嫁いだ李方子妃が着用した衣裳と装身具が多数含まれています。
当時、朝鮮半島では、男女が生活空間を別にして暮らしていたこと、日本の江戸時代と違って、社会の中心を担ったのは武士ではなく文人だったこと…など、日本ではほとんど知られていないのではないでしょうか。中国の儒教の影響を直接的に受けた朝鮮半島では、海に囲まれた日本とは異なる独自の文化が花開いていたことがわかります。
国内外のさまざまな争いに巻き込まれながら、男たちは、官職にあるか否かを問わず、社会的地位よりも高い精神的価値を追求し、質素で風雅を愛する“ソンビ”としての生き方を理想としました。また、女たちは外出もままならない厳しい家父長制の下にありながら、美しく装い、色鮮やかな手工芸品をつぎつぎと生み出す創造性を発揮したのです。
モノクロページの「テーマで読み解く朝鮮王朝」では、王妃選び、人々の色彩観など22のテーマで、当時を概観しています。
国は違っても、かれらの世界観や美意識は、先人の知恵として私たちに多くのことを語りかけてくれます。
編集：桑島祥さん
デザイン：吉野愛さん
イラスト：池貴巳子さん
発行：淡交社 3,990円
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