|
|
|
|
|
|
|
 |
写真と文：雨宮和子
雨がどんなにありがたく，うれしいものか、日本の方にはなかなかわからないのではないでしょうか。カリフォルニアにいると、春がどんなに待ち遠しいものか，ピンと来ないのと同じように。
10月には２回もどっさり雨が降って、大記録になりました。最初の雨は、180日以上続いた雨なし天気にピリオドを打ち、たちまち草木は青々とし、空気さえ透明度が増したような感じになりました。２度目の雨は、土の中まですっかりきれいにしてくれたような気がします。そんな自然環境に、野鳥たちは敏感に反応するものなのですね。
ある日の昼下がり，コンピューターに向かっているとき，ふと、バルコニーのドアの向こうで何かが動いたのを感じました。見ると、大きなアオサギがパームの上にとまっているではありませんか。大きさはカラスの２倍ぐらい。うっとりするほど美しく、しかも堂々としています。
|
|
|
 |
|
| ▲ このパームのてっぺんにアオサギは止まった。 |
|
|
|
ラグーン（潟）がほぼ目の前にあるので、いろいろが水鳥がこの辺りで見られます。サギも何種類もいます。また、うちにはハチドリ（hummingbird）がよくやってきます。でも、アオサギがバルコニーのこんなに近くまで来たのは初めてです。雨で埃が洗い流されたパームにとまってみたかったのでしょうか。
ソォーッと、バルコニーのドアを開けてみました。アオサギはビクッともしません。急いで，でも静かに，カメラのシャッターを何度か押しました。それでも、アオサギは動こうとしない。ちゃんと私のことは見えているはずなのに。なにしろ私との距離は２mもなかったのです。
それで欲が出て、少し違う角度から撮ってみよう、とソロソロと立ち上がったら、アオサギはフン、という感じで飛び去っていってしまいました。でも、私はすばらしい贈り物をもらったような気分です。
|
|
|
|
